これは過去の治療履歴になります。
杉山産婦人科新宿院で、はじめての新鮮胚移植を行ったあと、今後のことを考えてやれるだけの検査を全てやることにしました。
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ビタミンD 5500円(税込)

まずはビタミンDの検査について。
- ビタミンDの血中濃度を調べる血液検査になります。
- ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の発育を促す栄養素ですが、妊娠における受精卵の子宮内への着床やその後の妊娠の維持にも関わっていることも明らかになってきました。
- ビタミンDの理想値は30ng/ml以上とされ、少なくとも20ng/ml以上を目安にしています。
- ビタミンDサプリの摂取、太陽光をよく浴びることで改善可能。


ビタミンDってかなり重要!
検査費用も比較的安価だし、これは早めに調べたほうがいいですね…
ですが、私は何とビタミンD検査の存在と重要性を知らず、
半年以上何も調べていなかったんです。。。
私の検査結果
やっと半年後にビタミンD検査をやりました。

AMHも出てます(*ノωノ)
このときすでにビタミンDサプリを飲んでいたんですが、それでも25.2ng/mLと、やや不足気味。
倍量のサプリを飲んで今も対応してます。

ビタミンDは本当に不足している人が多い印象なので、1回の検査で摂取量を決めず、経過を見てまた検査したほうが良いと感じました。
中には3~4倍のビタミンDサプリを摂取してやっと基準値という方もいるようです。
着床不全および不育症セット検査 66,000円(税込)

そしてすぐにはじめられる血液検査のセットをやってみました。
検査項目は全部で11種類調べることができるのですが、大まかにその分類を分けました。
自己抗体とは、自分の体の細胞を自分の抗体で攻撃してしまう状態です。
本来抗体は細菌などの異物に対して自分を守るために攻撃を行うものですが、自己抗体陽性のケースでは自分の細胞に対して攻撃してしまい、不育症を引き起こすと考えられます。
- 抗核抗体
以上の1項目が調べられます。
自己抗体は、プレドニン(ステロイド剤)投与や免疫グロブリン製剤(免疫力を高める薬)投与によって改善が認められることがあるそうです。
プロテインC・プロテインS、凝固第12因子などの異常では、血液が固まりやすく(血栓ができやすく)、胎盤の血液のめぐりが悪くなり不育症となります。
- APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)
- プロテインS活性
- プロテインC活性
- 第12因⼦
以上の4項目が調べられます。
凝固系の異常は、血液を固まりにくくしてあげる『アスピリン療法』や『ヘパリン療法』が有効であるとされています。
抗リン脂質抗体の異常高値により、血栓症、血小板減少などを起こす結果、流産を引き起こし、不育症になります。また、血液が固まりやすくなり、胎盤などの微小な血管に血栓が形成される結果、流産を起こしやすくなり、不育症となります。
- LA-DRVVT(ループスアンチコアグラント)
- 抗CL(カルジオリピン)抗体IgM
- 抗CL(カルジオリピン)抗体IgG
- 抗PE(抗フォスファチジルエタノールアミン)IgM/IgG抗体
- 抗CL(カルジオリピン)β2GP(グリコプロテイン)1抗体
以上の5項目が調べられます。
抗リン脂質症候群は血液凝固異常同様、血栓の形成を抑制することであり、『アスピリン療法』、『ヘパリン療法』が有効であるとされています。
正常妊娠では胎児と胎盤を異物とみなし攻撃するTh1細胞が減少しTh2細胞が優位になり妊娠を維持すると考えられています。
しかし、Th1/Th2比が高い反復着床不全患者は胎児を異物とみなして攻撃してしまうため不育症や着床不全に至ってしまうと考えられています。
- Th1細胞/Th2細胞
以上の1項目が調べられます。
Th1/Th2比は移植周期に 『プログラフ(タクロリムス)』 を服用することで免疫を抑制し、対策することができます。
私の検査結果
異常ありまぁす!!

私はこの中で、【Th1/Th2比】に見事に引っかかりました~

私の汚い字が…(汗)
○をつけた数字の部分ですが、Th1/Th2比のカットオフ値(陰性と陽性をわける値)は10.3と定義づけられているそうです。
私は16.1なのでもう完全に引っかかってます。
対策としては免疫を抑えるための『プログラフ(タクロリムス)』を移植2日前から1mgを1日3回服用すること。
大体は9週~安定期まで飲むそうですが、医師と応相談になります。
子宮鏡検査 11,000円(税込) ※保険だと3,000円

- 子宮鏡検査とは子宮の中を胃カメラのようなもので覗き、子宮の形状やポリープの有無など子宮内の状態を直接目で観察する検査です。
- 外来で短時間に行われ、基本的には観察のみの検査です。
- 月経終了直後~月経10日目までに行うのが望ましい。
※基本は自費診療です。
※子宮内ポリープや筋腫などの異常所見がみつかれば、保険が適用される場合があります。
子宮鏡検査はわりとどこの不妊治療CLでも行われるオーソドックスな検査になります。
私の検査結果
異常ありませんでした!!


私は異常ありませんでしたが、ポリープが見つかる人が多いように感じます。
子宮内膜組織検査(慢性子宮内膜炎検査/CD138) 11,000円(税込)

- 慢性子宮内膜炎を厳密に診断するため、子宮内膜組織を採取し、顕微鏡で形質細胞という細胞を確認する検査になります。
- 陽性細胞を認めた場合、抗菌薬(ビブラマイシン)服用後、再判定となります。
- 検査時期は、排卵後の月経高温期(黄体期)になります。
※検査を行う月経周期は避妊をしてください。

実はこの検査、かなり痛い……と有名だったり。。
人によっては激痛らしいです。
痛みに強い私も、少し唸ってしまうレベルでした……
私の検査結果
異常ありませんでした!!

急いでメモしているので、字が間違ってます(汗)
陽性形質細胞数というのが5個以上あれば子宮内膜炎の陽性となります。
私は1つだけ形質細胞があったものの、これは正常の範囲内とのことでした。
それにしても、『不妊症、慢性子宮内膜炎の疑い』とか書いてあると、陽性に見えますよね。。
子宮内細菌培養検査 5,500円(税込)

- 子宮内細菌の原因菌の同定を目的に行います。
- これにより原因菌と共に効果のある抗菌薬を見つけることができる場合があります。
- 通常、子宮内膜組織検査を同時に行います。

淋菌やマイコプラズマ、カンジダなど一般細菌・真菌を検査するものになります。
実は 子宮内膜組織検査だけだと、炎症を起こしている原因菌までは特定できないらしいです。。
この検査をいっしょに行えば子宮内膜炎だった場合、その原因菌を特定することができます。
この検査、なぜ慢性子宮内膜炎の検査と同時に行うかよく分かっていなかったんですが、
調べてみて納得……
子宮内膜組織検査(CD138)とあわせて行うことが大切みたいですね。
私の検査結果
異常ありませんでした!!

目的菌 | 結果 |
緑膿菌 | 陰性 |
GBS(B群溶連菌) | 陰性 |
マイコプラズマ | 陰性 |
淋菌 | 陰性 |
ウレアプラズマ | 陰性 |
カンジダ | 陰性 |
杉山産婦人科のこちらの検査では6種類調べることができました。
すべて陰性!!
20代のときはカンジダになりやすかったんですが、それも改善できていてよかったです。

ウレアプラズマ・マイコプラズマはALICE検査にもある項目ですね。
私はALICE検査はやらず、安価なこちらの検査で済ませました。
子宮内膜炎も無かったので、私はこの検査でじゅうぶんでした。
子宮内膜フローラ検査(マイクロバイオーム検査) 44,000円(税込)

- 子宮内にはたくさんの細菌が存在し、良性な乳酸菌(ラクトバチルス菌)が多いと妊娠率が高いことがわかっています。つまり着床にとって良い菌がどのくらい子宮内にあるかをみる検査です。
- 検査時期は排卵後の月経高温期(黄体期)になります。
- こちらの検査結果には1ヵ月を要します。
※検査を行う月経周期は避妊をしてください。
私の検査結果
異常ありませんでした!!

菌名 | 菌名(カタカナ) | 備考 |
Lactobacillus | ラクトバチルス属 | 乳酸菌の一種 |
Corynebacterium | コリネバクテリウム属 | 腸内の常在菌 |
Alloscardovia | – | ビフィドバクテリウム属、乳酸桿菌の一種 |
Prevotella | プレボテラ属 | グラム陽性偏性嫌気性桿菌 |
Lawsonella | – | 嫌気性および部分的に抗酸性の細菌 |
Mobiluncus | モビルンカス属 | 嫌気性彎曲グラム陰性桿菌 |
Enterococcus | エンテロコッカス属 | 腸球菌など |
Pandoraea | パンドラエア属 | グラム陰性の非芽胞形成好気性桿菌 |
Stenotrophomonas | ステノトロホモナス属 | ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌 |
Paraburkholderia | パラバークホルデリア属 | グラム陰性の非芽胞形成好気性桿菌 |
Nevskia | ネフスキア属 | キサントモナス科の細菌属、グラム陰性好気性桿菌 |
Others | その他 |
微妙にALICE検査と項目が違いますね!
そして菌の名前、複雑すぎて調べれば調べるほど奥が深い…(汗)
ラクトバチルス率は90%以上あれば問題ないようです。
私は90.3%で問題ありませんでした。

こちらがラクトバチルス率90%以上の方と90%以下の方の着床率などの違いとのことです。
こうやって比べてみると、ラクトバチルス率って重要なのかも。。
こちらは高額な検査費用ですので、ALICE検査とどちらをやるかクリニックによって検討したほうがいいですね。
子宮内膜着床能(ERA)検査 137,500円~165,000円(税込)

★ERA(Endometrial Receptivity Analysis):通称エラとも言われる検査のこと。

ERA検査は今まで紹介した中で、いちばん時間が長くかかり、患者としても一周期をその検査に充てなければならない、大がかりな検査です。
実際の移植周期のような手間がかかります。
- 妊娠において子宮内膜が受精卵を受け入れる時期が決まっており、「着床の窓(Implantation Window)」と呼びます。
- その「着床の窓」のズレの有無、すなわち胚を受け入れる準備が整った着床の窓の時期に子宮に移植できているかの検査です。
①ホルモン補充周期の場合
(薬剤処方、超音波検査、ホルモン検査などで約2万円が別途必要)
(1)月経2-3日目に来院し、ホルモン採血を行い、結果良好であればエストロゲン製剤(卵胞ホルモン製剤)を開始。
(2)月経14日目に子宮内膜の厚さを確認し、排卵日と仮決定。
(3)プロゲステロン製剤(黄体ホルモン製剤)を開始して、5日目に子宮内膜組織を採取し、検査に提出。
②自然周期の場合
(1)排卵前に来院し、診察で卵胞を確認
(2)排卵日を正確に確定し、排卵5日目に子宮内膜組織を採取し、検査に提出。
※当院で体外受精を行っていない方は165,000円の費用がかかります。
ERA検査の結果には、約3週間を要します。
子宮内膜を採取した時期の結果が「Receptive(着床可能)」の場合、着床時期には問題がなく良好な受精卵をこの時期に同じ条件で移植することで妊娠が期待できます。
「Non-Receptive(着床不可)」の結果が出た場合は、再検査が必要となります。
この場合、検査結果には次回検査時の子宮内膜採取のタイミングの指示が記載されています。
再検査の結果を確認することで患者様個人の最適な移植時期を特定できますので、次回以降の同条件の周期で良好な受精卵を移植します。

検査自体に1ヵ月かかり、さらに検査期間に検体を提出してから3週間かかるので、かなり時間がかかります。
その間は採卵周期やお休み周期にしたほうが良いでしょう。
この検査、自然周期でも出来るらしいですが、ホルモン補充周期でやっている方のほうが多いようです。
私は選ぶことを知らず、医師に言われるままホルモン補充周期で検査してました(汗)
お問合せありがとうございます!
おっしゃる通り、自然周期よりもホルモン補充周期の方が再現はし易くなるかと存じます。ですが、検査が出来ないということはございませんので、子宮筋腫をお持ちの方の場合は自然周期でのERA検査および胚移植もご検討頂けますと幸いです。 https://t.co/sNAQM73XqM— アイジェノミクス・ジャパン (@Igenomix_JAPAN) September 14, 2020
ERA検査の結果を出してくれる検査ラボ、アイジェノミクス社の回答を見つけました。
ホルモン補充周期ではなく理由があって自然周期を選ばれる方も中にはいるようです。
私の検査結果
異常ありまぁす!!


『判定保留』!!!
つまり最初の検査では着床できる時期が無かったということ…また1ヵ月かけて再検査です。。
※再検査が必要な場合は検査費用は無料で受けられますが、薬剤処方のみ費用が必要となります。

再度検査をすることで、
私はホルモン補充周期の場合+1日遅れで移植したほうがいい、との結果が出ました。
時間はかかりましたが、ようやくここまでたどり着けました。。。
これは私の個人的意見なんですが、ERA検査を行うのは、自然周期にしろホルモン補充周期にしろ移植を2~3回やったあとでもいいと感じました。
費用も時間もかかりますし、他の検査と比べて通常の移植周期のようにがっつり薬剤を処方するのでかなり負担がかかります。
アイジェノミクス社ではERA検査を行うべき対象者を以下のように定めています。
- 2回以上胚移植が成功していない方
- 子宮内膜に問題がある方(例:子宮内膜が薄い)
- 良好胚を移植しても着床しない方
- 生化学的妊娠(化学流産)をしたことがある方
また、このような見解のクリニックもあります。

そして私が気になったのは、このERA検査の結果は2~3年有効と言われましたが、そもそもの窓ズレの原因となっている要因が取り除かれれば、正常に戻るのではないかということ。
着床の窓ズレにはまだまだ臨床のエビデンスが足りない部分もあります。
よく考えてから実施なさったほうがいいです。
ご夫婦染⾊体検査(⾎液検査) 1人につき33,000円(税込)

- この検査は血液検査で、自費となります。
- 夫婦のどちらかに転座という染色体異常があれば流産しやすくなると言われているため、その有無を確認する検査です。
- 治療法はございませんが、特に不育などの原因検索には重要な検査です。
この検査は結論から言うと、やりませんでした。

そのとき懇意にしていたI医師と相談した結果、この検査はやらないことにしました。
- 転座があったとしても治療法が無い
- 転座があったとしても不妊治療を諦めることはできない
- 夫婦どちらかに原因があってもお互いを責めたくない
- 転座があったとしても正常な精子と卵子も発生する
- 転座は遺伝のため、自身の兄弟姉妹にまで影響を及ぼす可能性がある
高い費用をかけてまで、この検査をする意義が私には見出せませんでした。
もちろん、原因を徹底的に追及したい方はやったほうがいいと思います。
私はこれをやるなら胚盤胞の遺伝子を検査する『PGT-A』を行うほうがいいかなぁ。
子宮内膜系の検査の注意点

上記で紹介した検査ですが、痛みをともなう検査がとても多いです。

脅すつもりはないのですが、やはり覚悟が必要…
- 子宮体がん検診と同様の方法で、子宮内膜を採取します。
通常は3分程度で痛みも軽度ですが、子宮口が硬い場合など、器具挿入が困難な場合には痛みを伴います。
また まれに痛みが強く、通常の外来での検査ができない場合もあります。 - 子宮内膜検体の採取が難しく、検体量が不足するなどして再検査が必要となる場合があります。
再検査が必要な場合、子宮内膜検査料などは通常無料ですが、薬剤処方のみ費用が必要となります。 - 子宮内膜検査、特に子宮内膜フローラ、ERA検査は十分な子宮内膜組織の検体量が必要となります。
同日に2つ以上の検査を行うことができない場合があります。 - 検査当日はシャワーのみ可能、入浴や性交渉はお控えください。
わりと痛みに強い人間なんですが、採卵より移植より、検査系は痛みがあると感じました。
不妊治療は不快感や苦痛との闘いだと思います。
本当に本当にみんな頑張ってる!私も頑張ってる!!
もうこれ以上頑張ること、ある…?((+_+))
そんなわけで、
一刻も早く不妊治療という沼からみなさんが抜け出せることをお祈りしてます。
※検査の費用については現時点での料金のご紹介となっています。
※自費診療は税込表記、保険適応の診療につきましては消費税は発生いたしません。
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